サントリー美術館新収蔵品 |
コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス |
The Collectors' Eye: Suntory Museum of Art Recent Acquisitions Ceramics from Europe and Glass from Around the World |
近年サントリー美術館のコレクションに加わった、高い審美眼をもって収集された、野依利之氏によるヨーロッパの陶磁器と、陶芸家の故辻清明氏の古代から現代にかけてのガラスのコレクションのお披露目です! |
近年、二名の方のご所蔵品がサントリー美術館のコレクションに加わりました。 野依利之氏によるヨーロッパの陶磁器と、辻清明氏による古代から近代にかけての各国のガラス器です。
野依利之氏は美術商としてアール・ヌーヴォー期の優れたガラス芸術を数多く日本へ紹介する一方で、分野・地域・時代の枠組を越え幅広く美術工芸作品を蒐集してこられました。
このたびご寄贈いただいた陶磁器は、18 世紀のデルフト (オランダ) をはじめヨーロッパ各地のファインアンスが多くを占めるほか、イタリアのマヨリカ陶器などによって構成されています。 |
サントリー美術館は、1961 (昭和 36) 年 11 月 20 日に東京・丸の内のパレスビル 9 階に開館して以来、今日まで美術各分野のさまざまなご所蔵者の皆様とのご縁に恵まれ、コレクションを拡充してまいりました。 |
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'2017 1_24 サントリー美術館新収蔵「コレクターの眼」 展のプレス内覧会の会場風景です。 |
サントリー美術館新収蔵品 |
美しさを見極める眼 ヨーロッパの陶磁器と世界のガラス品 のお披露目です
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「展示構成」 |
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「展示構成」 |
'2017 1_24 プレス内覧会の作品展示風景、「コレクターの眼」図録などとプレス説明会の抜粋文章です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
第1部 ヨーロッパ陶磁 野依利之氏 |
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左・N-26 野依氏とコレクション 《色絵グロテスク文アルバレロ》 イタリア | 16世紀以降 | 高 22.4cm 口径 10.2cm 最大径 12.8cm 底径 11.0cm サントリー美術館(野依利之寄贈) | 陶 203-62 / 右・N-88 野依氏とコレクション 《色絵風景図壺・花瓶》 5 口 オランダ | 18-19 世紀 | 壺(各) 高 26.0-26.8cm 花瓶(各) 高 25.9-26.4cm | サントリー美術館(野依利之氏寄贈) | 陶 203-60-1 |
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マヨリカ―秀逸の手技とデザイン ・N-26 美しい絵柄を施されたマヨリカは、手技とデザインの秀逸さによってルネサスン期の教養あるエリートたちの間で尊重されました。 デルフトウェアとマヨリカ デルフトウェアの技術の基礎となったのが、15-16 世紀を頂点にイタリア各地で盛んに焼かれた錫釉陶器 「マヨリカ」 です。 マヨリカ製作技術の最も大きな特徴は 「二度焼く」 ことと、表面を白く不透明にする 「錫釉をかける」 ことです。 これにより、器を飾る色とりどりの絵柄は、にじまず、はがれず、白地にくっきり映えています。 壺とカップボード・セット ・N-88 カップボードの上に陳列するためにデザインされた装飾調度品で、同じ絵柄を持つ壺と花瓶で構成されるセットです。 現在も、オランダの家庭に於いてシンボルであり、誇りとする伝統的なインテリアです。 |
第2部 世界のガラス 辻清明氏 |
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左・T-5 辻清明コレクション 《リブ装飾碗》 東地中海沿岸地域 | 前 1世紀-後 1 世紀 | 高 4.3cm 胴径 13.0cm 口径 12.5cm | サントリー美術館(辻清明コレクション) | ガラス571-72 / 左・T-8 辻清明コレクション 《パテラ杯》 シリア・パレスチナ地域あるいは東地中海沿岸地域 | 1-2 世紀あるいは 5-6 世紀 | 高 8.5cm 口径 16.0cm | サントリー美術館(辻清明コレクション) | ガラス 571-71 / 右・T-9 辻清明コレクション 《皿》 シリア・パレスチナ地域あるいは東地中海沿岸地域 | 4 世紀 | 高 6.0cm 口径 29.7cm | サントリー美術館(辻清明コレクション) | ガラス 571-66 |
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古代ローマ人の夢 ガラスは元来、王族など高貴な方々の身の回りを飾るラピス・ラズリやトルコ石の代用品として発展しました。 多くは色つきで、つややかではありましたが、透明という訳ではありません。 ガラス器が作られたのがおよそ 3500 年前。 吹きガラスが発明されたのは紀元前 1 世紀頃、ローマ帝国領内シリア=パレスチナ地域のこと。 透明な素材へと移行していったのもこの頃です。 オリエントの栄華・大陸への憧憬 辻氏のコレクションの中に、3-7 世紀のササン朝ペルシャのカットガラス碗や中国・乾隆帝の時代に紫禁城内の工房で作られたと推測される一対の瓶 (・T-26) は、透明性などものともしないようです。 皇帝にのみ許された黄色ガラスの素地に、鳳凰文が浮き彫りにされたこの瓶は、世の頂点に立つ者の周囲を恭しく飾る工芸品の一つとなったことでしょう。 |
ヨーロッパ各地の錫釉陶器 |
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「デルフトウェアとマヨリカ」 マヨリカの歴史はとても古く、イラン、シリア、エジプト、北アフリカ、スペインを含むイスラム王朝勢力圏の広い地域で進化・発展し、その技術がイタリアにも伝わり、15-16
世紀を頂点にイタリア各地で錫釉陶器 「マヨリカ」 が盛んに焼かれました。 中でもイタリアにおける主要なマヨリカ生産地の一つ、ファエンツァでは、16
世紀半ば以降、輝くような純白の厚い釉薬に覆われたマヨリカ 「白陶(ビアンキ)」 が作られました。 |
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参考資料:「コレクターの眼」展 図録、NEWS RELEASE No.sma0024、Newsletter vol.264、他 |
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